都住研ニュース

第26号 ●運営委員のリレーエッセイ

合田 雅人(京都相互住宅株式会社 代表取締役)

合田雅人氏  今、京都で注目されている居住形態は何か?それは町家だ。築百年近い家をリフォームして住むのが粋なのだそうだ。町家を専門に扱う工務店もあり、なかなか繁盛していると聞く。
 私が幼かった頃、京都市内の家のほとんどが町家だった。私の実家も町家だったのだが、とにかく住み辛かった。一年中薄暗く、冬は底冷えする。間取りの使い勝手も良くなかった。昭和40年を過ぎた頃からか、私の実家をはじめ町家は次々と建て替えられていった。老朽化と住みにくさのためだ。
 現在の町家ブームは、町家に住んだことのない人や京都以外の人が中心になっているようだ。いわゆる「京都らしい」暮らしへのあこがれからか町家が持て囃されているように思える。お断りしておくが、私は何もブームを否定しているわけではない。京都の伝統を保存することからも、それは意味のあることと思う。ただ昔住んでいた者、いや、建築の仕事に携わる者として言わせてもらえば、築百年近い家などちょっとやそっと手を加えたところで住めるものではない。今後、ブームがどうなっていくのか、その真価を見極めていきたい。

山本 光伸(株式会社長栄 取締役総務部部長)

山本光伸氏  賃貸住宅管理会社「長栄」の山本と申します。
 当社は主に鉄筋コンクリ?ト住宅の管理が多く、住宅に対する都市居住推進研究会の取り組みを、勉強させていただく思いで入会させていただきました。これを機会に、まちづくりや地域の活性化に少しでもお役に立てればと思っております。
 ヨーロッパでは100年以上の建物が現在でも多く残っております。ここ古都京都でもすばらしい歴史的建物が多く、私どもが多く管理させていただいている賃貸マンションとの調和を保ち、現在先輩諸氏で考えておられる「京都こだわり住宅」のプロジェクトの一員として参加させていただき、お役に立てるよう努力して参ります。今後ともよろしくお願いします。

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