都住研ニュース

第57号 ●都住研提言 路地を発信・再生・継承する〜選べる路地のまちづくり

メンバー  都住研では、設立20周年記念事業で「空き家・路地の積極活用によるまちづくり」をテーマとして研究を進めてきました。京都のまちづくりを考える上で学ぶべきエッセンスを備える路地を独自の視点で評価した「路地21選」の選定を行い、さらに「景観」「防災」「コミュニティ」「歴史・文化」の視点から路地の「見える化」を行うツール(3点セット)を開発、これらを基に提言をまとめ、今年9月に京都市門川市長に提出しました。

提言1.路地の魅力と価値を発信する取り組みの促進

 路地の魅力や価値が広く認識されるよう、多くの人が路地についてより具体的に知る機会を設けることを求める。路地の魅力を広く伝える取り組みを進めることで、路地の保全・再生に向けた行動を起こしやすい社会的な雰囲気が醸成され、路地関係者自身の具体的な行動に繋がることが期待される。

提言2.路地の未来を選び、実現するための支援策の充実

 路地を保全・再生するための多様な施策が整理されつつあるが、専門的で市民には理解しづらい。実際にそれらの施策を活用するためには、路地の関係者が現状を認識し未来をイメージを共有することが重要である。そこで、関係者間の現状認識と未来の共有を促し、“多様な保全・再生メニューから利用できる施策の選択を支援するツール”を充実させることを求める。また、現状の施策では保全・再生が困難な路地が多数あることから、更なる路地の保全・再生施策の充実を求める。

提言3.路地コミュニティ管理の促進

メンバー  路地の未来を描き、保全・再生の取組を実現していくには、路地内のコミュニケーションと合意を形成し、実行できる体制が必要である。こうした路地の活動を促進するため、路地の利用と管理に関するルールづくりを支援するとともに、路地沿道の住人や土地所有者などが路地を管理する団体として組織化した場合に、組織の活動内容に応じたインセンティブを付与することを求める。

提言の全文及び「路地21選」の内容、開発した路地診断ツールは、→こちらでご覧いただけます。

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