都住研ニュース

第38号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!

ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。

 「京山々(きょうさんざん)木の家づくりの会」は、「山のめぐみを山に還す」をスローガンに建築士、工務店、ゼネコン、造園業者、不動産業者と山林産業者が集まって組織された団体です。この会については、以前(ニュースレター33号/2007年6月)にも紹介させていただきました。
 同会では、現在、京都の山の木を活かした家づくりの情報発信拠点となるモデルハウスづくりを進めています。「新町家−山の恵みを山に還す」をテーマに、(1)京町家をモデルに「平成の町家」として、新感覚で木の家づくりを行うこと、(2)木の生産者、職人、設計者、不動産業者が協力したコストパフォーマンスを実現すること、(3)次世代省エネ基準をクリアーする高断熱材を使用した省エネ住宅づくりをすること、(4)「住み手のこだわり」を実現することを進めるモデルとして活用することとしています。
 建設するモデルハウスは、若年家族を想定した建売住宅と位置づけており、京山々木の家づくりの会内でミニコンペを行い、会員内で協議を行った結果選ばれたものを実際に建設しています。モデルハウスは4年間、情報発信の基地として活用した後は不動産物件として売却する予定です。
 良い木材を使い、美しいデザインを行い、十分な設備仕様とするとコスト上昇は避けられません。一方、一般的消費者の現実的なコスト意識を考えると、展示場として魅力に乏しいものとなります。この狭間での議論に多くの時間が割かれました。そしてその解決策は、モデル住宅を通してプレゼンテーションされる予定です。省エネ、CO2削減など環境共生型のライフスタイルを実現できる住宅として、断熱性、涼霧システムなど様々な実験要素を盛り込み、「土間空間」と「地域材を使った建物外観」、「暮し方の提案」を大きな特徴として、京都に登場する「新しい町家」として打ち出しています。
 モデルハウスは2009年4月28日(火)に完成予定です。ぜひ、ご覧ください。

※モデルハウス所在地:京都市北区紫野東御所田町1-9
※詳細は、京山々木の家づくりの会にお問い合わせください。www.kyo-sanzan.jp/

施工の様子

完成予想図

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