都住研提言

◆第2次提言

 京都の都市居住の促進に向けた建設・土地誘導システムの提案─建築基準法の改正に向けて─
  1997年11月14日 建設省へ提出

建築ルールの提案
《京都の都市居住促進の条件》
 1)個性を生かした魅力的なまちであり続けること。
 2)建築は社会的財であるとの認識に立ち、まちの価値を損ねない仕組みが 整っていること。
 3)安全で安心できる質の高い住まいが整っていること。
提言1 個性あるまちづくりのルールを住民合意でつくり、地区・街区単位でコントロールする。
 1)個性あるまちづくりのルールを住民合意でつくること。
 2)そのルールを敷地単位でなく、地区・街区単位で適用し、建築を誘導すること。
 3)建築のルールは、住民の提案を受け、地区・街区の土地利用の管理運営の中で、柔軟に見直していくこと。
提言2 木づくり都市の特徴を生かす都市防災システムを築く。
 1)地域の防災施設、防災能力、地区の建築の状況に応じて防火地域・準防火地域を見直すこと。
 2)地域防災活動を評価し、その活動レベルと建築物の規模・用途による面防火規定の特例許可制度を創設すること。
   (地区の防災評定による建築制度)
 3)防火規定を性能基準とし、性能評定の簡素化を図ることによって、新技術の開発促進を図ること。
 4)京町家などの増改築・修繕において、既存部分へは防火規定を適用しないこと。
提言3 安全で質の高い住宅に誘導する仕組みをつくる。
 1)建築基準の対象をフローのみならずストックまで拡げること。
 2)中間検査などの現場検査を充実し、住宅の安全基準の実行性を高めること。
 3)住宅ストックの性能が客観的に分かり、改善策が容易に理解できる住宅性能表示を実施し、市場との連携を図ること。
 4)住宅ストックの改善を指導・勧告する仕組みをつくること。
 5)そして、以上のシステムを公・民のパートナーシップで進めるため、
  民間専門家の活用や維持・保全・補修に関するアドバイザー機関の設置などを進めること。
《緊急の課題》

〔集団規定について〕
 1)用途と連動した形態規制をやめ、都市計画のメニューを充実する。
 2)建築基準法の集団規定における一律規制をやめ、メニューの選択制とする。
   特に、道路斜線のセットバックや容積率の緩和については、一律規定をやめる。
 3)道路と敷地の関係を見直し、「道路」における道路機能とオープンスペース機能を明確にした上で、
   それぞれに対応した建築基準を定める。
 4)木造の町並みを維持・発展させるため、面防火規定において特例許可を追加し、
   地域防災計画に応じた防火規定の運用を容易にする。
 5)地域の高齢化に対応するため、地域施設の特例許可や容積率の許可項目を充実する。

〔単体規定について〕
 1)防火規定の性能基準化と性能評定の簡素化
 2)住宅の安全性に関する検査制度の充実
 3)市場と連動する住宅性能の表示制度の確立

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