都住研ニュース
第70号 ●住まい・まちづくり拝見!
〜バンコクのスラムの暮らしと再開発〜
今回は、都住研の研修で今年の8月に訪問したバンコクのスラム地区について紹介します。
バンコクでは、労働者の多くが、港周辺・線路沿い・橋の下など複数の密集コミュニティを形成し、約10万人、1600近くのコミュニティがあります。
バンコク最大のスラムとされるクロントゥーイ・スラム。
建設労働者や港湾作業員、清掃員など、低賃金で生活インフラを支える約10万人が暮らしています。
政府による居住環境整備(建替え)が進められており、建替えエリアではコミュニティ広場が整備。2つのタイプの賃貸住宅があり、1つは通りに店を出せ、もう1つはバルコニーにセルフビルドで増築できるなど通ごとに特徴が形成されていました。
密集して暮らすスラム地域では、火災は命と財産を奪う脅威です。そのためにあちこちに消火器が設置されていました。
(上左)クロントゥーイの様子 (上右)地域の収入につなげている菓子
(下)スアンプルーの様子
スアンプルーはエリアで一番大きなスラムで、人口は約1,000人。以前は木造密集地帯で、2004年の火災を契機に住宅の建て替えが行われました。住民の居住権を保ちながら進められたが特徴です。
中層の共同住宅と低層住宅があり、中層は国立住宅局(NHA)による五階建て集合住宅の開発で、1.36ヘクタールの敷地に14棟、計1120ユニットが建設されました。
このエリアの特徴は住民参加型のコミュニティ再建が行われ、スラム住民自身が協同組合を形成し、ローンを通じて住宅を整備すると共に、自立(インフォーマル経済を含む)が視野に入れられたことです。スアンプルーではこれらの運動を担った方の歓待を受けましたが、皆さん元気な女性たちでした。地域で販売され、収入に繋げているスイーツをごちそうになりました。
一方、スラムクリアランスによる大規模開発も現在進行形です。
訪問したワン・バンコクは、2024年10月にタイ・バンコクの中心部に誕生した、新たな都市空間を創出する大規模複合開発プロジェクト。オフィス、ホテル、ショッピングモール、住宅、エンターテイメント施設など、多様な機能が1つの場所に集結しており、働く、暮らす、そして遊ぶ、あらゆるライフスタイルに対応できるよう設計され、現在進行形で工事が進められていました。
他のエリアも訪問しましたが、紙面の事情により、続きはどこかの機会で!(大島)