都住研ニュース
第58号 ●京都にはもう、分譲マンションは要らない?〜京都の住宅・不動産市場を展望して〜
2007年の新京都市景観政策以降、新築分譲マンションの供給は減少しているとはいえ、いまだ少なくはない数で供給が行われています。折しも宿泊施設建設が続く中、都心部では地価の高騰が続き、分譲マンションが分譲されても庶民にとって「高嶺の花」であり、とりわけセカンドハウス等としての居住者はまちづくりの担い手にもなりにくいと考えられます。一方、京都市内における空き家は約14%と言われており、高経年物件を中心に分譲マンションの空き住戸も少なからず存在しています。
新景観政策により建物高さがオーバーするマンションは、既存不適格建築物となりましたが、現実問題として建て替えを前提とすることは難しく、維持管理を適正にしながら、当面は長く使い続けることが必要でしょう。今後は、「分譲マンションをたたむ」ということも必要になりますし、そのための仕組みも必要となってくるでしょう。
では、例えば新たにマンションを供給しない京都のまちづくりは、どのようになっていくのでしょうか。
第63回定例会(7月28日)では、「京都に新築分譲マンションはもう要らない?〜京都の住宅・不動産市場を展望して〜」というテーマで開催し、分譲マンションを取り巻く背景について、高田教授のお話とパネルディスカッションの議論を整理しました。