都住研ニュース

第50号 ●「京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例(仮称)」

パブリックコメントのパンフレット  2008年度の「住宅・土地統計調査」によると、全国で756万戸、そして京都市内には空家が11万戸発生しているということです。「空家問題」として全国的に課題となっており、防犯上や管理不行き届きによる倒壊の危険、ごみや野良猫などの衛生上の問題に対処すべく、条例によりこれに対処する自治体も増加しています。また、人口減少と世帯数の縮小を受けて30年後には3戸に1戸が空家になるとの試算も出されています(野村総合研究所)。新設住宅着工数は以前のように「年間100万戸」というペースはもはやなく、飽和しつつある住宅をどうするかを考える必要があります。このため、従来のようなフローベースの住宅政策ではなく、ストック活用がなの住宅政策にシフトしてきており、また発生する空家を未然に防ぐとともに、空家を有効活用する方策が模索されています。
 このようななか、京都市においても「京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例(仮称)」の検討が進められており、現在、この案の公表とともにパブリックコメントが行われています。

「京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例(仮称)」骨子について

■目 的
・空き家に関する対策を、空き家化の予防、活用・流通の促進、管理不全対策、跡地利用の誘導
 など、総合的に推進する。
・そのことを通して、安心で安全な市民生活の確保、地域コミュニティの活性化、まちの活力の
 維持向上、地域の良好な景観の維持保全及びまちづくりの推進に寄与する。

■基本理念
○建築物は、京都というまちを構成する要素として、安心で安全な生活環境や良好なまちなみ
 などの公共的価値を持つものであるという観点から、その利用及び管理が図られるべきこと。
○空き家をまちづくりの資源として積極的に活かすこと。
○既存建築物の保全・活用及び流通を促進する観点から推進されるべきこと。
○良好なまちづくりを推進することが、空き家の予防や活用の促進に繋がる。
○空き家の所有者等、市民等、事業者及び本市が相互に連携し、市民活動団体等の協力を得て取り組むこと。
○地域の自治組織等が主要な役割を担うことを旨とすること。

■総合的な空家対策の取組方針
【1】空き家をまちづくりの資源として捉え、活用・流通に向けて総合的に取り組む
【2】「市民・地域」「事業者」「行政」「大学・NPO等」「空き家所有者」が相互に連携を図り、
 それぞれの責務や役割を組み合わせて取組を推進する。

 下図(右上パブリックコメントのパンフレットより転載)の流れそれぞれにおいて、当事者および関係者の役割が明記され、管理不全の空き家を減少させ、また発生した空き家の利活用を促進することがうたわれています。

当事者および関係者の役割

 <詳細は、市都市計画局都市づくり推進課(http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000152744.html)
   ※意見募集期間は、2013年7月25日(木) 〜8月26日(月) まで

定例会ダイジェスト ●京都の住まい・まちづくり拝見!
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