都住研ニュース
第48号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!
ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。
〜京都の新しい「町家」を創る 〜平成の京町家
トップ記事でもお伝えしました「平成の京町家モデル展示場KYOMO」。そこにモデルハウスを出展されているゼロホーム((株)ゼロ・コーポレーション/都住研会員)さんを取材しました。
同社がうたう「100年住宅」に平成の京町家のエッセンスを加えた住宅です。「風・光・庭」をテーマにして設計された住まいで、敷地内には3箇所の庭が配されています。間仕切りを兼ねた引き戸や窓の開閉を調整することで、室内に風を通したり、気密性を高めるなど季節に応じた快適な暮らしが可能となるように工夫されています。
都心部を想定して設計されているため、隣家との境界にあたる壁には窓を設けず、採光はトップライトや中庭を通じて行います。
玄関前には、京町家の通り庭をイメージさせる土間があり、濡縁が設置され、ご近所さんとのコミュニティをはぐくめる場としての活用が期待されます。また土間を通ってそのまま中庭に行くことができ、プライベート空間が楽しめる屋外空間となっています。
通りに面した庭は、駐車場としても利用が可能で、通りとの境界には開閉式の京格子が採用されており、通りから眺めた景観に配慮するほか、家の中からは通りの様子が見えるようになっています。床材には市内産材が使われています。
平成の京町家のコンセプトをふんだんに用いたモデルハウス。京都のまちなかでの暮らしが、イメージできました。
![]() |
![]() |
![]() |
間仕切りを兼ねる引き戸が、空間の可変性を確保 | 京町家が並ぶまちなみに配慮した外観 | 平面図 |