都住研ニュース

第45号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!

ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。

〜京都の歴史の住み継ぐ家へ 200年住宅・京民家

 今回は、(株)フラットエージェンシーさんが手がけられた「200年住宅・京民家」を訪問しました。これは、歴史的伝統家屋である「京町家」や「古民家」の良さを踏襲しながら“住みやすさと安全性”を追求し、いつまでも愛着の持てる、子どもや孫の世代まで長期利用可能な住まいづくりを目指し、伝統家屋に熟練した「大工」や「左官」「瓦」などの職人さんと「まちづくり」に熱心な建築家によって建てられました住まいです。

構造材  構造材には、100%国産材の杉集成材を使用し、主要柱には5寸角(15cm角)、梁には1尺幅(30cm)を使った軸組工法で、構造材の見える 「現しの家」 とし、構造、内装材は全て自然素材を使用しているため、“健康・環境”に配慮されています。デザインは洗練された京町家を参考にしつつ、新しい感性と感覚を取り入れ、末長く飽きのこないデザインに配慮されています。「京都の歴史を継ぐ家へ」というコンセプトのもと、タタキ、漆喰、杉・檜、和紙をふんだんに使われています。1階部分には、和紙クリエイターの堀木エリ子さんが手がけられた和紙を使用した襖もありました!コンパクトな敷地の中、1階には広い玄関を緩衝空間として、セミパブリックな外に開いた構成、2階はプライベート空間とメリハリのきいた設計となっていました。
 土間は、昔ながらの三和土で仕上げたことで、ご近所の方やお友達、お客様を迎える最高のコミュニティースペースとなります。間取りは、建具の取り外しによって可変できる設計を採用。“火災や地震“に強い、“安心・安全”な住宅として長期優良住宅の認定も取得されています。
 2階の通りに面したテラスが開放的で、いつまでも外を眺めていたいと思いました。
 この京民家は、8月5日(金)、6日(土)、19日(金)、20日(土)いずれも午後4時から8時まで、オープンハウスとして公開されていますので、どなたでも見学できます。

200年住宅・京民家 お問い合わせは、(株)フラットエージェンシー(http://habita.flat-a.co.jp/index.html)まで

玄関脇
玄関はコミュニティに開いた空間

外観
暮らしのあかりが見える風景
リビング
京都の材料と技術をふんだんに活用

東日本大震災・被災地の今 ●定例会ダイジェスト
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