都住研ニュース

第45号 ●東日本大震災・被災地の今

 50回の節目を数えた、都住研定例会(次頁に記録を掲載)では、京都府不動産コンサルティング協会、日本賃貸住宅管理協会京都府支部と共催で「東日本大震災を通じて見えてきた、京都の遠隔地避難者支援のあり方 〜京都の不動産事業者だからできたこと・できること」をテーマにパネルディスカッション形式で開催しました。パネルディスカッションに先駆けて、「現地報告」を設け、被災地の状況を共有しました。ここでは、その内容をダイジェストで掲載します。

被災地の状況

被災状況図  報告者が実際に訪れた宮城県の七ヶ浜、多賀城市、仙台市、志津川、気仙沼、岩手県の遠野、釜石、宮古、唐丹等のまちの状況を写真で共有。地震による被害の他、沿岸部の津波による被害の大きさを改めて確認した。
 各地の避難所(公設/民設)及び応急仮設住宅の状況も報告され、施設の責任者や入居者のヒアリング内容も報告され、生活の復旧とともに産業の復旧、仕事の再建の必要性を確認した。

避難所

遠隔地避難の状況

 西日本への避難者の現状は、福島県(73.4%)から、建物被害が大きかった宮城県(20.2%)からの避難者が多い(朝日新聞調べ)。
 避難先での滞在予想期間としては、「原発次第」が21.0%で高く、「と りあえず1年」が15.3%、「予想がつかない」が14.5%となっている。
京都からの支援状況  入居については、貸し出し可能な物件を多数保有している割には、関西は入居率が低くなっている。京都市における傾向を見ると、保有している公営住宅数に対して提供している公営住宅数が他の地方自治体に比べて少ない傾向がある(空き家率等の分析が必要)。さらに提供可能戸数に対して、入居決定戸数が他の地方自治体に比べて多い傾向がある。そして京都市はその傾向が特に顕著である。また公営住宅への入居条件が罹災者だけでなく被災者をも含むものになっている点が特徴である。さらに民間住宅ストックの減額供給に対して、地域の不動産業者が積極的に関わっていることも特徴である。

定例会ダイジェスト ●京都の住まい・まちづくり拝見!
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