都住研ニュース

第43号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!

ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。

〜町家を保全・再生する仕組みの新しいチャレンジ!

外観  今回は、「不動産管理信託を活用」した、京町家再生・利活用事業である「ARAKAWA 京町家再生・利活用PROJECT」の再生見学会にお邪魔してきました。
 昭和初期の織屋建の町家(隣家と壁を共有する長屋)改修して、マスターレッシーのフラットエージェンシーさんが10年間の賃料780万円のうち660万円を一括前払いし、差額賃料の120万円は年払いとして、初年度12万円の前払い、事業期間を10年間に短縮するため、オーナーの一部工事負担を160万円とされました。合計金額832万円から735万円を改修工事にあて、残りを信託会社の事業所経費に充てられました。2年目からの12万円は固定資産税、火災保険料に充てられます。
 改修前の写真を見ると、織機をおいていた部屋は日照が入らず暗かったのですが、部分的に減築をして奥に庭を確保し、さらに天窓を設けて大変明るい台所になりました。内装は内壁に漆喰を塗るなど自然材をふんだんに使い、環境にも健康にも配慮した仕様となっています。改修後は、ウィークリー賃貸物件として提供されるそうで、見学会でお伺いした際には既に予約が入っているということでした。
 京町家が年間2%ずつ減少している中、京都の住文化を後世に継承して行くには、今ある町家の建築、空間の現物を住み継ぎ、使い続けることが必要です。これまで京町家の証券化など事業レベルで京町家を継承する手法の検討がされていますが、今回もそのための新しい手法として注目されています。

室内 玄関 吹き抜け

第17期総会を開催しました ●定例会ダイジェスト

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