都住研ニュース

第41号 ●住宅エコポイント制度がスタートしました!

 2010年3月8日から、住宅エコポイントの申請が始まりました。これは、エコ住宅の新築またはエコリフォームを促進することにより、地球温暖化対策の推進及び経済の活性化を図ることを目的に実施されるものです。エコ住宅を新築された方やエコリフォームをされた方に対して一定のポイントを発行し、これを使って様々な商品との交換や追加工事の費用に充当することができるようになりました。エコポイントは、「省エネ・環境配慮製品」「地域産品」「商品券・プリペイドカード」「環境寄付」等と交換できます(交換は2013年3月31日まで)。
 新築住宅では基準を満たせば一律300,000ポイント、エコリフォームでは窓や外壁、屋根・天井、床の断熱性能の改修、バリアフリー改修の内容に応じてポイントが発行されます。
 詳細は、http://jutaku.eco-points.jp/を参照ください。

 これまで、スクラップ&ビルドが繰り返されてきた建設産業は、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量も多く、環境問題が最重要課題とされている今日、これを改善していくことが求められています。そして、建築・都市領域において、様々な環境政策が強化されてきています。都住研ニュース39号で紹介した「長期優良住宅」もその一つです。
 この住宅エコポイント制度は、建物の断熱性を高め、エネルギー消費量を抑え、環境負荷の少ない生活を送れるようにしようというものです。

 しかし、京町家に代表されるように、京都は環境と寄り添いながら暮らす住文化が今なお継承されています。「京都まちなかこだわり住宅」はじめ、この工夫と智恵に学びながら新しい住宅モデルを創っていこうという試みを都住研でも行ってまいりました(写真参照)。

 現在、国で行われている環境配慮型の建築を作るための政策は、「断熱性を高める」ことに力点を置いて基準が設定され、地域それぞれで生まれ、培われてきた住文化は反映されていません。いわば、環境問題の緩和は期待できるのですが住文化が破壊されていく恐れがあるのではないでしょうか。

 人が「住みたい」「魅力的だ」と思う家は、住宅単体の性能だけではありません。人は家に暮らすだけではなく、まちに暮らすのです。「ここに住みたい」と思う住宅は、まちの魅力、文化をいかに色濃く反映したものではないでしょうか。外界から閉ざされた室内で暮らすのではなく、まちと緩やかに繋がりながら、呼応しながら、そこでの暮らしを楽しむことができる器を求める人も増加しています。

このエコ住宅ポイントは、私たち住宅建設に携わるものとして、京都の住まい・まちづくりはいかにあるべきかを考えるべきだと問いかける取組であると考えられます。

定例会ダイジェスト ●京都の住まい・まちづくり拝見!

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