都住研ニュース
第31号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!
ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。
日本の財産、京の「けしき」を継承する住宅
今回は、建都住宅販売(株)が取り組まれた、京町家の再生について紹介します。
松原通烏丸東洞院東入る燈籠町にあるこの京町家は、昭和6年に建てられたもので、建物の下には防空壕があり、戦後は食品等の貯蔵庫としても活用されていたそうです。
改修では、基本構造には大きな改変は加えないようにしつつ、現在のライフスタイルに相応しいようにいくつかのプラン変更を行いました。通り土間の形状を生かしてキッチンを加え、土間との段差を生かしてカウンターを設けるなどの工夫が凝らされました。随所に吹き抜けを設け、「暗い」といわれる京町家内部を明るく開放的になるようにされています。建設当時を象徴する防空壕は、ワインセラーにも活用できる多目的空間として生まれ変わりました。その他収納の設置や飾り棚の設置、水回りの集約化などの手を加え、より快適に、かつ遊び心を持って暮らせるような住まいに再生されました。
今回の再生では、京都のまちなみを形成してきた外観はそのままに、伝統的手法を尊重し、地元の職人とともに京都北山で採れた天然の無垢材を多用しています。
本来、住まいづくりは地産地消で供給され、地域の経済の循環を形成していました。その原点に還る住まいづくりが進みつつあります。
![]() 外観は従来の姿を継承 |
![]() 2階和室 床材は北山杉の無垢材 |