都住研ニュース

第30号 ●京町家の証券化がスタートしました!

町家  不動産の証券化は、バブル崩壊後の資産の下落を背景にしつつ、新たな資金調達手段として不動産事業の活性化や不動産投資を小口化を進め、個人投資家の不動産投資を可能にする等のために、法整備が進められてきました。このことにより、幅広い層の投資家の参入を通じて不動産投資が促進され、土地市場が活性化し、ひいては土地の有効利用につながることが期待されており、都心部を中心とした不動産を対象に実施されてきました。そしてその全国都市部の動きを受け、この度、京都市内でも京町家を対象とした不動産証券化事業がスタートしました。この事業には、都住研のメンバーも多く参画しております。

 今回京都市内で証券化が行われた京町家はいわゆる「既存不適格物件」でもあり、一般的なビルやマンション等の現代建築の証券化のリスクと比較して高いリスクを内包しています。しかし、京都の住文化を集約している京町家を将来にわたって継承する仕組みへの提案も込めて実施に踏み切られました。
 今回の証券化事業は市内3軒の京町家を貸し出すことにより生じる賃料と5年後の売却益(出れば)を出資者に分配することになっています。事業総額は1億500万円で、この半額を第一優先出資証券(元本割れリスクを低く設定)として1口10万円で全国に公募されました。証券の販売には221名の応募があり(成立は209名)、目標口数を大きく上回ったそうです。
 全国的にも珍しい京町家を不動産証券化する取組は、多くの方の理解と協力を受けながら動き出したばかりです。

※ 次回の定例会では、この京町家証券化の詳細とその後の状況をお話しいただきます。

定例会ダイジェスト ●京都の住まい・まちづくり拝見!

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