都住研ニュース
第72号 ●次世代と考えた! 未来の京都の不動産マーケット
2026年9月28日、都市居住推進研究会(都住研)の第75回定例会にて、「次世代と考える、未来の京都の不動産マーケット」をテーマとした定例会を開催しました。
次世代と考えた! 未来の京都の不動産マーケット
変革期を迎える不動産市場において、京都で独自のビジネスを展開する次世代プレイヤー4名(扇沢友樹氏、小山由美氏、小原亜紗子氏、長澤直子氏)が登壇。
アートや食の拠点づくり、一人ひとりの挑戦や変化に寄り添う仲介、身近な視点での空き家活用、買主支援に徹した中立的な仲介など、従来の効率や取引規模に捉われないリアルな実践事例が共有されました。
パネルディスカッションや質疑応答では、人口減少や価値観の多様化に伴う「今後の暮らし」の変容、京町家の継承や最新の住まい方、人間関係や地域風景といった無形価値の重要性について活発な議論が展開されました。
単なる市場の予測にとどまらず、個々の事業者や市民が目指すべき未来の暮らしと不動産の役割、地域の可能性を問い直す実りある機会となりました。意見交換の概要は以下の通りです。
�@「所有権移転」だけでない、継続的な関係性とプロセスの価値化
単に鍵を渡して取引を終了するのではなく、入居後の店舗のファンづくりやSNS発信、オープンハウスの企画、長期的な生活への責任など、取引の「その先」に関わり続けることで、新たな紹介やリピート、顧客との強い関係性の最大化を生み出すことが大事。
�A効率だけに捉われない「ターゲットの細分化と深い共感」
一般的なポータルサイトに載る物件や画一的な居住用仲介を追いかけるのではなく、「こだわりが強い事業者・デザイナー」「移住希望者」「中立的な立場を求める買主」などターゲットを絞り込み、共通言語で寄り添うことで、高いマッチング精度(高い打率・ロス削減)と独自のポジショニングを確立できる。
�Bスペックだけでない「無形価値・暮らしのストーリー」の編集と提供
物件の広さや駅徒歩分数といったスペックだけでなく、地域の歴史、その場所で育まれてきた風景、周辺の人々や店舗とのつながりといった「無形価値」を読み解いて編集・提示することが、多様化するユーザーの価値観に合致する。
�C「残すこと」と「変容させること」を柔軟に捉える多様な利活用アプローチ
京町家や古民家・空き家などのストック活用において、単に昔の姿のまま完全保存することを目指すだけでなく、一次的に住みやすさを優先した改修を行って将来的に元に戻せる状態を維持したり、ゲストハウス・シェアアトリエ・私設図書館といった現代の需要や「生きる・暮らす」のコミュニティ基盤へ柔軟に変容させたりする思考が重要。