都住研ニュース
第68号 ●ゲストの住まい紹介
ここでは、定例会でゲストに紹介いただいた住まいを掲載しています。
西村直己さんの2軒の路地
路地奥物件@

○「路地奥はこんなに安い」と思った。内部は酷い状態だった。 ○耐震は粘りのある荒壁パネルをいれて補強した。 ○妻には当初「町家に住みたくない」とはっきり言われていた。内装を好みになるように工夫した。 ○路地は石畳にした。屋根にも断熱材をいれた。町家は土壁から直すことが多いが、荒壁パネルで構造補強し、ラスボード下地+漆喰・珪藻土で壁を仕上げた。 ○敷地は87uの建坪70uほどの2LDK。リビングは12畳。洋風な感じになっている。2階の部屋には畳の間が欲しいと思い、勾配天井にし、天然の葦を貼った。 ○娘が3人いるが、この家には娘1人とお腹に1人いるときに入居。10年暮らし、子ども3人目が生まれたときに狭いと感じるようになった。
路地奥物件A
○2件目は、こどもの小学校区は変えたくないと思った。路地の奥にあるSハウスの築23年の物件で、元々二世帯住宅の 規模が大きいものだった。軽量鉄骨でしっかりしていた。 ○私たちは2階に暮らして、1階部分は今後何かに使おうと考えている。間取りは気に入らなかったのでガラッと変えて3LDKにした。 ○この路地はL型で結構広く、子どもが自転車の練習をしたりバドミントンの練習をしたりしている。毎日楽しく暮す。
井口夏実さんの浄土寺の住まい

○3軒長屋のドンツキで、その先がないことを私が気にしたが、夫は気に入っていた。改修するとしたらお願いしようと思っていた建築家の森田さんもよいのでは、とおっしゃった。私だけが気に入らなかった。が、三方向に開口部があるが西側だけがない点は良いし、東山が広がっているのも良いじゃないか、と皆さんに背中を押してもらって決めた。 ○再建築不可というのは理解していたので、構造をしっかりさせた。長く暮らせるためにも、予算は限られていたのだが、一番優先順位を上げたのが構造と断熱だった。 ○耐震については、構造事務所に相談。長屋なので、うちだけがしっかりしてもバランスが悪いということで、少し柔らかくしようと荒壁のまま内装にした。 ○譲りたくない場所の1つ食器棚。シンク上に吊っている食器棚に皿を洗って置くだけでポタポタと水が落ち自然乾燥。 ○テキスタイルデザイナーにデザインしてもらったカーテン。間仕切りを作るとお金がかかる。打ち合わせの中では楽しい作業だった。 ○窓はペアガラスで断熱性をあげた。キッチンやリビングは2階に持ってきた。奥に子どもスペースを設けた。 ○もともと外側にはベランダはなかったが、窓の向こうが緑で気持ちいいので付けた。洗濯物を干したり子どものプールを置いて使っている。