都住研ニュース

第40号 ●京都の住まい・まちづくり拝見!

ここでは、京都の住まい・まちづくりに関するユニークな、新しい取り組みを紹介します。

〜まちなかに生まれる新しい「京都ステイ」の形〜

 この度、京都のまちなかに新しい宿屋が生まれました。名前は「京宿家 城巽あかね庵」。ここは(株)ハチセ(八清)さんが新しく展開されている事業モデルで、京都体験型の新しい宿泊施設を提供するものです。「これまで、当社のリ・ストック町家を買われたお客様で旅館として活用したいと考えられている方が少なからず居られました。しかし、旅館とするには旅館業法に基づく許可取得など、個人で住宅取得後に展開するには、色々と手間がかかりました。そこで、あらかじめ許可のために必要な設備を備えた改修を施し、販売することとしたのです」と、西村孝平社長。城巽あかね庵には、もとの建物を生かしながら現代のニーズに合う改修を施しつつ、帳場、従業員用のトイレ、非常照明などが備えられています。不特定多数の方が利用されやすいように、バリアフリー条例にも適合しているそうです。
 「京宿家」の名称は京都の元学区名と古代色の組み合わせで付けられており、他に朱雀あさぎ庵、朱雀ききょう庵などが計画・工事に着手されています。
 この商品は宿屋としての経営を購入者自らが行うことも、また運営委託をすることも可能で、取得者のスタイルに合う形で旅館を経営することができます。購入者は「京町家サポートクラブ」に入会し、集客や予約関連事務、清掃やメンテナンスなどを運営委託し、一体的に「京宿家」ブランドで展開することが可能ということです。
 これらの取組は、京都の景観を形成する京町家の継承に繋がるとともに、スクラップ・アンド・ビルドではないストック活用であり、環境負荷も押さえられます。そして何より、京都の住文化を体験できる宿泊施設として供されることで、新しい観光のニーズに応える産業づくりにも繋がることが期待されます。
 城巽あかね庵は、京都と江戸を結んでいた東海道(三条通)にもほど近く、かつて界隈に多く立地していた旅籠の遺伝子を現代のまちに甦らせています。

庭 ■事業に関するお問い合わせ
   (株)ハチセ(八清)http://www.hachise.jp/
          電話:0120-341632

京宿家webサイト http://www.kyoyadoya.jp/

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