定例会のお知らせ


第60回 都住研定例会のご案内

 京都市内の都心4区には袋路が約3,500カ所存在すると言われており、再建築不可の敷地が数多く存在しています。かねてから、これら細街路は火災時の延焼や地震時の倒壊など防災上の線題な居住上の不安に関する問題が指摘されてきました。しかしながら近年はこれら細街路への評価が変化してきています。
 流動の少ない細街路では高齢化が進むものの昔ながらのコミュニティが残り、防犯・防災の面で一定の役割を果たしています。近年は町家・長屋リノベーションへの関心の高まりから、若者層の移住も進んでいます。さらに景観・文化的価値への評価も高まり、空き家利用の様々なアイデアやビジネスが生まれるなか、資産価値の観点から低廉な路地奥物件ヘ投資経営ビザを活用した投資の話も進みつつあります。
 空き地・空閑地は、かつては「遊休地利用」と積極的な活用が推進されてきましたが、人口減少や空家・空き地が増加し続ける今日、コミュニティ単位での利活用の方法の模索や、居住環境向上の観点から空閑地のネットワークが提唱されるなど、既成市街地における空間のあり方の考え方が変化しています。
 京都市内には広大な戦前木造密集エリアが広がっており、いわば、新しいパラダイムのまちづくりをできる可能性が大いに存在しています。防災・衛生等都市に必要な機能を確保しつつ、これらの再評価により「宝の山」ともいえる細街路を積極評価・活用することは、京都の次代のまちづくりの先鞭を切ることが可能ではないでしょうか。また投資についてはホールドとリリースの際のルールなどの必要性も指摘されています。当然のことながら、都市防災上の課題を緩和していくことを前提としつつ、これら細街路へのポジティブな評価と行動を大いに活かし、今後の京都が目指すまちづくりと歩みを進めて取り組んでいくことも必要ではないでしょうか。
 第60回定例会では、20周年記念事業として進行している「空家・細街路の積極活用によるまちづくり」 の検討テーマとして、行政書士と司法書士という専門家の視点から締街路で生じている動き、課題、そして継承に向けた最前線の話題を提供するとともに、意見交換を行います。

日時平成27年5月8日(金) 18:30〜20:30

場所:ひと・まち交流館 京都 地下1階(http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html
   財団法人京都市景観・まちづくりセンター ワークショップルーム

内容:京都の細街路は負の遺産か、あるいは宝の山か

講師とテーマ
 「京都ファンが行う投資は細街路を救うか? 細街路のニーズ・可能性・事業性」
    岡川 芙巳 氏(行政書士法人SKY 岡川海事法務事務所 所長)
 「まちや仕事、思いを継承するには? 遺言とまちづくり」
    佐伯 由香里 氏(さいたま司法書士事務所 所長)

参加費 500円 定員50名 「都住研会員 無料」 お誘い合わせの上ご参加ください。
 定例会へのご参加は、会員の方に限らずご参加いただけます。
 ご参加いただける場合は、下記事務局へお申し込みください。
 <5月7日(木)までにメールもしくはFAX等でお願いいたします。>

トップ > 定例会のお知らせ